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大阪成蹊大学とダイキン工業TICが「空気」をテーマにワークショップを開催(1/24)

2024.01.29

お知らせ

芸術学部,データサイエンス学部,看護学部,産官学連携

1月24日(水)に大阪成蹊大学は、ダイキン工業株式会社テクノロジー・イノベーションセンター(以下、TIC)の協力のもと、両者の交流により新しいアイディアや技術を生み出すことを目的としたワークショップを開催しました。
ワークショップでは大阪成蹊大学の看護学部、データサイエンス学部、芸術学部より6名の教員が登壇。空気を共通のテーマに据えて、「生体情報学」と「可視化情報学」の観点からそれぞれの研究内容や技術を紹介しました。空気のイノベーションに関するデータサイエンスへの期待や、生成AIの可能性を探ることを狙いとした講演への期待は高く、ダイキン工業様、大阪成蹊大学の双方から、100名を越える参加者が集まりました。

開会に先立ち、ダイキン工業(株) 執行役員 河原克巳様よりご挨拶を頂戴しました。
「ダイキン工業は2024年に創業100周年を迎えます。また、2015年にこのTICが設立された時はまだAIブームは到来しておりませんでした。これからの時代は、自社の空調事業や化学事業に対してデータの力を取り入れて、新しい空気や新しい力を生み出したい。」とのお話がありました。

最初のプログラムでは生体情報学をテーマに、看護学部の辻野講師、データサイエンス学部の山西教授、廣江助教が講演しました。


▲看護学部 辻野講師
看護の創始者であるナイチンゲールの著書『看護覚え書』から、患者の療養環境に対して新鮮な空気を取り込むことはよい看護の第一条件であり、看護とは患者の生命力の消耗を最小に整えることであると紹介。これからの時代、AIやIoTを搭載した空調管理システムと協働や分業を図りながら、患者一人ひとりの感覚に応じた快適な環境(空気)調整も求められると考え、患者の置かれた状況を例に挙げながら教育や研究上の課題を示しました。


▲データサイエンス学部 山西教授
データを可視化する技法が極めて乏しい時代、ナイチンゲールは看護師として従事する中で、戦死者・傷病者の死因の多くが感染症であることを、イギリス政府の高官たちに納得させるため「鶏冠」チャートを考案したデータ可視化の功績者であり、生体情報学とデータサイエンスは深い関係があると紹介。自身は脳波や瞳のサイズ変化から感情を推定する研究に取り組んでおり、湿度と温度の快適さが仕事のワークに与える影響を紹介。脳波測定による感情の推定や、居住空間の環境(空気など)からの影響について議論しました。


▲データサイエンス学部 廣江助教
「空気を読む」の「読む」は目で行う行為であり、視線計測技術と親和性があるのでは?というところから視線計測技術について紹介。エアコンの多くは天井に設置されておりそこから空間中を広く見渡せるため、人の顔や視線を計測できるのではないかと提案。通常、視線計測行うためには一人ひとりにあわせたキャリブレーション(調整)が必要だが、現在研究に取り組んでいるインプリジットキャリブレーション手法を用いれば、空間中の不特定多数の視線を計測可能になり、快・不快の測定や、視線入力によるスマート家電の提案に繋げられるのでは、と提言しました。

続くプログラムでは、可視化情報学をテーマに、データサイエンス学部の鎌原教授、小山田学科長・教授、芸術学部の糸曽学部長・教授が講演しました。


▲データサイエンス学部 鎌原教授
ChatGPTが登場して以来高い関心を集めている生成AIは、テキストや画像などをベクトルという数値データにしてニューラルネットワークで学習しています。生成(推論)ではニューラルネットワークでプロンプトにより想起された数値データを逆の過程に通してテキスト、画像、アニメーション、音楽などを生み出しています。生成AIは人間の生産活動を補助する存在としてまるで「空気」のように当たり前になっていきますが、同時に、今後はなくてもならない存在になると予想されますし、これからは、テキストや画像・音声を一緒に扱うマルチモーダルに発展していくと考えられると述べました。


▲データサイエンス学部 小山田学科長・教授
近年注目が高まっている「ウェルビーイング」の概念に触れ、健康や幸福を示すウェルビーイングの指標向上においては、健康、快適性、集中力や生産性、ストレスにも関わる空気環境が大きく影響すると考えられるとの話がありました。数値シミュレーションを用いて空気状態を予測し、気温分布を作成したり、空気状態を表す言葉のラベル付けなどにより「空気」の状態を可視化する技術や方法を様々に紹介、ウェルビーイング指標向上に資する空気状態はどのようなものか?というリサーチクエスチョンを唱えられました。


▲芸術学部 糸曽学部長・教授
自身が制作に携わったアニメーションの実例を交えながら、音楽や映像で構成される世界における「空気」の表現の可能性を示唆。また、AIの進化がもたらす可能性と、それを活かすための人間の創造性やAIをどう使うかという「着眼点」「感情」が重要であるとの話がありました。着眼点の重要性を知り、描く技術を手にしたうえで、今後は制作物の中でストーリーを語ることで、企業課題や社会課題をエンターテイメントの力で解決したいと語りました。

最後に大阪成蹊大学の中村佳正学長より、閉会の挨拶がありました。


▲大阪成蹊大学 中村学長
「今回はこのような機会を設けていただき、また活発な質疑に感謝申し上げます。立地的にも非常にお近くにある2つの機関ですので、これがいい刺激になって、今後の交流が深まることを期待します。」

大阪成蹊大学では、データサイエンス学部、看護学部、芸術学部、経営学部、教育学部、国際観光学部の全ての学部において真に人間力のある人材を育む「大阪成蹊LCD教育プログラム」に基づく教育を展開し、そして企業や自治体との豊富な産官学連携による教育・研究活動により、今後も地域や社会の発展に貢献してまいります。