OSAKA SEIKEI TOPICS
2025.01.21
お知らせ
経営学部,国際観光学部
国際観光学部・経営学部では平賀 富一教授がファシリテーターとなって特別講義授業「ザ・プロフェッショナルズ」を実施しています。
この特別講義は、外務省の大使経験者、SDGs専門家のシンクタンク所長、大手航空会社の役員経験者の客員教授、国連世界観光機関(UN Tourism)駐日事務所よりの派遣講師、著名シンクタンクの人口問題・少子化対策の研究者と、国際的な知見や経験の豊かな方々を講師に迎え、日本と世界の外交の状況、国際協力やグローバル展開する航空会社の取組みやSDGs、航空事業や観光業の動向、少子化等の重要課題についての理解を深め視野を広げることを目標としています。
今回(2024/12/27)は、天野 馨南子氏(㈱ニッセイ基礎研究所生活研究部人口動態シニアリサーチャー)により、
「統計データに基づく有意性の高い少子化対策とは-EBPMなくして人口問題解決なし-」をテーマとした講義が実施されました。
当日は、オンデマンド方式で実施された前週の講義について、前回授業に関する受講生のレポートを踏まえた学生への問いかけと講師のコメント、グループディスカッションと代表者による発表・講師による解説等のアクティブラーニングで、学生たちが自ら考え・課題を発見し・意見をまとめ・説明する力を促し、また普段なかなか聞く機会がない人口問題・少子化対策の研究者のエビデンスに基づく講義で充実した授業になりまし た。
▲天野 馨南子氏
▲グループワークと学生発表の様子
先入観や常識にとらわれず統計データの本質かを踏まえて自ら考えるべきことの大切さを、講師から学んだ受講生からは、以下に挙げる代表例を含む多様なコメント・意見・感想が寄せられました。
我が国の少子化の主因については「合計特殊出生率のことで誤解していた。夫婦単位の平均の子供の数のことだと思っていたが、年齢別の女性の出生率を合計したものと分かった」
「自分はずっと夫婦間での子供の数が減ってきているから少子化問題は起こっていると思い込みをしていた。改めてデータを見るとそれが主因ではないことがわかり新たな気づきになって良かった」等のコメントがありました。
さらに、ベトナムからの留学生からは「少子化は主に日本固有の問題だと思い込んでいたが、授業を通じて、世界的に多くの国々で同様の課題があることを知った。また、少子化の原因は単に経済的な理由だけではなく、育児に対する社会的サポートの不足や、女性の働き方の制約が大きな影響を与えているという点に気づかされた。特に、家庭内だけでなく、社会全体で育児を支える仕組みが重要であると感じた。」との声がありました。
結婚に関する意向では、一部を除き、多くの受講生が結婚願望ありとの意見でしたが、その結婚観も「私はなんでも1人でするのではなく何事も一緒に助け合っていけるパートナーを求めます。例えば家事や育児などで、相手に任せっきりになるのではなく、自分も率先して少しでも支えになれるようにすること、相手も自分がやっていたら助けてくれるような存在を求めます」と中高齢者世代・親世代の多くが抱いていた意識とは異なるコメントが目立ちました。
その他、将来の資産形成、就職に際して重視する事項や、生産年齢人口の減少への対処策の一案としての移民増政策への見解など、講師から提起された様々な観点・論点について考え学ぶ貴重な機会となりました。