OSAKA SEIKEI TOPICS
2022.11.24
ニュースリリース
芸術学部
芸術学部 造形芸術学科 インテリア・プロダクトデザインコースの2021年度卒業生である杉山 里香(すぎやま りか)さんが、在学時に制作した作品でフェーズフリーアワード2022アイデア部門に入選しました。
「フェーズフリーアワード」とは
フェーズフリーとは、ふだん身のまわりにあるモノやサービスを「日常時」と「非常時」というフェーズ(社会の状態)からフリーにして、「いつも」と「もしも」に関わらず生活の質を向上させ、私たちの生活や命を守ってくれるものにしようという新しい考え方です。
防災の専門家として活動を続けてきた佐藤唯行氏(一般社団法人フェーズフリー協会 代表理事)が2014年に提唱した、大切な人を守るための新しい概念であり、地震工学会・地域安全学会・日本デザイン学会などアカデミックな活動からスタートしました。
昨年2021年には「第1回 フェーズフリーアワード」(主催:一般社団法人フェーズフリー協会)を開催。総計195件の応募および約1,000件のオーディエンス投票があり、審査・表彰は「事業部門(すでに世の中に存在するもの)」「アイデア部門(まだ具現化されていないアイデア段階のもの)」の2つの部門にわかれて行われています。
【受賞作品】 集い、繋ぐ道の駅(避難タワーの機能を併せ持つ防災道の駅)
【作品コンセプト】
従来の避難タワーは鉄骨で出来た無機質なものであり、街の景観を阻害しています。有事以外は使用されず、緊急時に場所や利用方法が分からない恐れがあります。そこで、避難タワーの役割を併せ持つ道の駅として日常的に避難場所のイメージを定着、地域に調和させることでフェーズフリーの実現を可能にできると考えました。
【アピールポイント】
この道の駅には主に二つの役割があり、平常時と非常時でそれぞれ変化します。一つ目は「集う」役割。平常時には街の人々が日常的に集まる場となり、人々が集まることでにぎわいが生まれます。非常時には家族や仲間の集合場所となり、安全が確保されます。施設内は避難に関する情報や設備が揃っています。二つ目は、「繋ぐ」役割。平常時には人と人を繋ぐ場となり、地域コミュニティを形成します。地域にとって身近な活動の場となり、世代を超えた交流や繋がりが生まれます。非常時は避難タワーとして、命を繋ぐ場所になります。避難生活に必要なライフラインが完備され、安心を繋ぎます。
≪ 日常時 ≫
「散歩」をテーマに、幾重に連なる階段を設け、最上階の展望施設からは海や日高平野の広大な景観を眺めることができます。敷地全体が立体型の緑地となっており、買い物だけでなく、巨大なアスレチックのように地域の人々の遊び場として世代を超えて楽しめる施設です。
≪ 非常時 ≫
建物を支える柱は強度のあるハニカム構造で作られ耐震性、避水性に優れています。象徴的なデザインはまちの人々に強く印象付けられ、防災への意識が生まれます。四方八方に続く階段は様々なアプローチから昇降が可能で、7箇所の出入口には避難の際目印となるタイルを敷くことで津波発生時に避難を誘導します。