OSAKA SEIKEI TOPICS
2026.05.15
お知らせ
経営学部,国際観光学部,芸術学部,教育学部,看護学部,経済学部,大学
「SDGsビジョンレポートコンテスト」が実施され、優秀なレポートを執筆した学生に対して学長より表彰状が手渡されました。同コンテストは、SDGsに関して自分なりの意見を持つこと、レポートを読み手の視点から書くことなどを目的とし、本年で4回目となります。
各学部から選出された作品を2次審査(各学部から選ばれた教員で選考)を経て、川村雅彦客員教授(国際観光学部/株式会社Sinc 統合思考研究所 所長・首席研究員)、学長が最終の3次審査を行い各賞が決定しました。
| 審査結果 | 名前 | 学部 | レポートタイトル |
| 最優秀賞 | 江前 友貴 | データサイエンス学部 | デジタル地域通貨と部活動リソースの融合による「互恵型コミュニティ」の再構築 -「大阪成蹊コイン(仮)」を通じた受援ハードルの低減と地域経済への還元策- |
| 優秀賞 | 林 心遥 | 国際観光学部 | 地方の観光を盛り上げるために何が求められるだろうか |
| 優秀賞 | 的場 伊吹 | データサイエンス学部 | 誰も取り残さない持続可能なまちづくり -アプリで作る21世紀にふさわしい「ほんのりとしたつながり」- |

優秀賞の林 心遥さん(国際観光学部2年生)

優秀賞の的場 伊吹さん(データサイエンス学部2年生)
■講評
【最優秀賞】 ◇江前 友貴(データサイエンス学部)「デジタル地域通貨と部活動リソースの融合による『互恵型コミュニティ』の再構築――『大阪成蹊コイン(仮)』を通じた受援ハードルの低減と地域経済への還元策」
講評:地域住民の間に潜在する「助け合いたい」という思いと、それを阻む障壁を丁寧に可視化したうえで、データサイエンス学部の専門性・大学の部活動・東淀川区のウェルビーイングを結びつけた新サービスを提案した出色のレポート。学生の立場からの実現可能性を念頭に置いた手堅い立案が高く評価された。なお、提案された諸施策を統合的にマネジメントする中核組織の設計や、アプリにアクセスしにくい高齢者等の包摂について検討が加わると、さらに説得的なものとなろう。
【優秀賞】
◇林 心遥(国際観光学部)「地方の観光を盛り上げるために何が求められるだろうか」
講評:訪日客の都市部集中と地方の伸び悩みをデータで示し、父母ヶ浜の成功事例から導いた知見を地元・近江八幡の活性化策へとつなげたレポート。問題提起から事例検証、具体的提案へと至る論の流れが明快で、清掃活動や地域連携をSDGsの観点から捉え直した視野の広さも評価された。なお、SNS以外の要因との比較や、提案の効果を測る指標の設定があれば、結論の説得力はさらに増すであろう。
◇的場 伊吹(データサイエンス学部)「誰も取り残さない持続可能なまちづくり――アプリで作る21世紀にふさわしい『ほんのりとしたつながり』」
講評:自治会の弱体化に対し、従来型の復活ではなく「別ベクトルへの発展」という視点を提示した点が本レポートの強みである。原因を「価値観の変化」と「人口流動の常態化」の二軸で整理し、複数の公的統計で論拠を固めたことで、議論が印象論に流れていない。なお、「負担を減らす」仕組みを誰が設計・運用するのかについては、さらなる検討が求められよう。
<学長総括>
「SDGsビジョンレポートコンテスト」は今回で4回目を迎えました。各学部から選出されたレポートの中から7作品を2次審査で選出し、その後、最終審査では川村雅彦 客員教授(国際観光学部/株式会社Sinc 統合思考研究所 所長・首席研究員)と協議しながら選考を行いました。
今年度は、最優秀賞1作品、優秀賞2作品という結果となりました。本来は優秀賞を3作品とする予定でしたが、最終審査の結果、優秀賞の受賞水準に達する作品が2作品にとどまったため、今回は優秀賞を2作品といたしました。昨年度は最優秀賞を2作品に増やす判断をしましたが、今年度は逆に優秀賞を絞る判断となり、年度ごとに異なる審査結果が生まれるのは、コンテストが形式的なものに陥らず、一作一作を真摯に評価している証でもあると考えています。
最終審査に残った7作品は、今年度もいずれも1年生の作品とは思えない完成度を持つものでした。特に印象的だったのは、自分自身の経験や関心を出発点にしながら、そこから社会課題を構造的に捉え直し、具体的な解決策の提案にまで踏み込もうとする姿勢が複数の作品に見られたことです。
最優秀賞に選ばれた作品からは、情報収集や整理にとどまらず、自らの問題として地域社会の課題に向き合い、大学での学びを総動員して解決策を構想しようとする強い意志と構想力が感じられました。
本コンテストも4回目を迎え、作品の変化を通じて感じるのは、SDGsが学生たちの生活の中に自然と溶け込んできているということです。地元で暮らす中で感じた地域コミュニティの課題、自分の故郷の観光が抱える構造的な問題——今年度の作品の多くは、SDGsを「調べるべきテーマ」としてではなく、日々の暮らしの中からすでに自分が感じ取っていたものとして描いていました。こうした変化は、コンテストを重ねてきたことの一つの成果であると考えています。
今後も、学生の皆さんが自分自身の生活の中からSDGsへの問いを見いだし、その問いを深めていくことを期待しています。
