大阪成蹊大学看護学部では、超高齢化社会における多様な医療ニーズに対応するための「地域包括ケアシステム」と「多職種連携」を深く理解するために、地域を探索して歩き、人々の生活の営みと健康課題を発見することをめざし、1年次に「地域健康探索プログラム(地域健康探索論Ⅰ・Ⅱ、地域健康探索論演習)」を開講しています。
11月8日(水)の「地域健康探索論Ⅱ」では、近隣のマンション「オリーブハイツ相川」に2グループの学生が訪れました。
今回訪問を行わないグループは、学内にて健康に関連するデータ分析を中心にグループワーク演習を行いました。
授業の冒頭に石川講師より、入院患者さんの地域での生活や環境をよく理解できる看護職をめざすための授業であり、地域の人々の暮らしなどについてインタビュー以外の印象も大事にするようにとの全体説明がありました。
▲公衆衛生看護学実習室にて
出発前は、学生同士で身だしなみチェックや持ち物チェックを実施したり、ワークシートを用いて、予め現地での役割分担の設定やインタビュー内容についての相談をして入念に準備。
教員からは、学外の方や目上の方と接するときのマナーについても指導が行われました。
▲現地では最初に、「お年寄り見守り隊」の皆さんから、小松地域や同マンションに住む人々の属性、生活状況などを説明いただきました。
大阪成蹊大学が所在する東淀川区の小松地域に発足した「相川オリーブハイツ振興町会」では、住民が相互に生活状況や健康状態を確認しながら、地域に住む一人ひとりがいきいきと生活を続けるために有志の「お年寄り見守り隊」を結成。「百歳体操」などの取り組みを中心とした定期的な活動を行っているとのお話がありました。
学生たちは、血圧測定や参加者・お年寄り見守り隊の皆さんへのインタビュー担当に役割分担し、百歳体操に参加した住民の皆さんとの交流を通して、この地域に住む人々がどのような暮らしをしているのかを見学。一緒に体操を体験したり、質問を通して、考察を深めました。
▲血圧測定の様子
▲体操前のインタビューの様子
▲百歳体操の様子
▲「お年寄り見守り隊」の皆さんへのインタビューの様子。
インタビューでは、地域のことや百歳体操に関する質問にとどまらず、食事の内容や健康状態といった日頃の生活状況にも着目し、生活者一人ひとりの目線に立って話を伺い、健康課題について考えます。
学生からの「どれくらいの年齢層の方が住んでおられるか」や「集会に参加できていない住民の皆さんへはどのような対応をされているか」などの沢山の質問に対し、お年寄り見守り隊の方からは、地域の歴史や65歳以上が約7割を占めているという住民の属性、日頃の声掛けの取り組み等について、温かく丁寧に教えていただきました。
参加した学生からは、地域の皆さんの元気なお姿はもちろんのこと、健康意識の高さや、またお年寄り見守り隊による住民自治の様々な活動に対する驚きや尊敬を示す感想が沢山ありました。
大学に戻ってからは、グループでインタビューの内容を整理し、考察を重ね、演習を振り返りました。
▲グループワークの様子
11月末からは、「地域健康探索論演習」へとステップアップし、地域の人々の健康課題について学びを深めていきます。
大阪成蹊大学看護学部では、地域の人々の健康について考え、多様な医療ニーズに応える課題解決力を備え、長寿社会に貢献できる看護師・保健師を育成します