データサイエンス学部 杉山一成 教授の、京都大学とインスブルック大学(オーストリア)との国際共同研究、"Temporal Natural Language Inference: Evidence-based Evaluation of Temporal Text Validity"(「時制的な自然言語推論:証拠に基づいた時制テキストの有効性評価」)[1]が、2023年4月2日~6日に開催された欧州地域を中心とする情報検索に関する国際会議、The 45th European Conference on Information Retrieval (ECIR 2023) [2] において、Best Paper Award を受賞しました(論文採択率29%)。
本研究では、与えられた一つ目の文が、その文に続く二つ目の文を受けて、時間的に有効であるか否かを判断する手法について、外部の知識ベースからの情報を学習することによって、人間にとっては容易である時制的な常識的知識を、コンピュータが得るための機械学習モデルを提案しています。
例えば、一つ目の文として、次の文が与えられたとします。
"I am taking a walk."
この文に続く二つ目の文が、
"I am getting coffee to go."
であれば、コーヒーショップに向かって歩いていると判断できるので「時間的に有効」となります。
一方、二つ目の文が、
"I am preparing dinner."
であれば、歩いている状況から、台所で料理をしている状況に変化しているので、「時間的に無効」となります。
本研究は、ツイートなどのマイクロブログから、より有用な投稿のみをフィルタリングしたり、チャットボットにおいて、会話が変化した際に、そのユーザの状況を的確にとらえて返答するといった場面で応用できます。
大阪成蹊大学データサイエンス学部では、大阪のデータサイエンス研究・教育拠点として、今後も国内外に研究成果を発信してまいります。