教育学研究科 3つのポリシー

大学院 教育学研究科

教育目的

現代の教育に関する実践的課題を理解し、地域の学校・園をはじめ、子どもの教育と成長に係る諸組織と協働で、さまざまな教育実践を省察しながら、創造的に問題解決のできる教育に関する高度専門職業人の養成を目的とします。

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

概要

学校及び地域における教育施設等でのフィールドワークやケースメソッドをベースに実践の課題を持ちながら、教育学研究の方法を以って教育学研究を遂行し、実践の創造的問題解決につなぐ省察的研究の実践者に必要な能力として、以下の能力を目指すこととして、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)とします。

ディプロマ・ポリシー

  • 1.教育学に関する、広い視野をもった高度な専門知識や教育技術

  • 2.現代の教育に関する実践的課題を踏まえ、地域の諸組織との協働で多角的な視点から教育実践を省察し、有用な知にたどり着く、創造的問題解決ができる力

  • 3.専門的理論・知見と自ら立てた問題意識や仮説を絶えず批判的に検討・消化しつつ、自分の考えをその場にふさわしい方法で表出し、また相手の考えや立場を尊重しながら討議あるいは応答できる力

  • 4.現代の教育に関する実践的課題を踏まえ、地域の諸組織との協働で多角的な視点から教育実践を省察し、教育実践に関して、客観的かつ論理的に考察を展開し、独創的で有用な研究を遂行できる力

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

概要

教育課程の編成にあたっては、教職専門のみならず、学校と学校が所在する地域、さらには現代社会に対する深い理解をベースにして、様々な関係者と理論や価値観、実践を分かち合い、教育の創造へと導くことができる「省察的研究のできる実践者」を養成できるよう以下の通り教育課程を編成します。

カリキュラムポリシー

1年次:
地域と学校でのフィールドワークを全員が行い(「基礎科目」の「地域・学校実践演習Ⅰ」及び「地域・学校実践演習Ⅱ」)、ケースメソッドを通して、地域教育と学校教育についての実際的な理解にもとづき、それぞれの教育を相対化して捉えます。教育を相対化することによって、地域教育と学校教育をめぐる常識を問い直し、地域教育と学校教育のあり方を見直していくと同時に、参与観察や関係者へのインタビュー等をとおして教員や教育職員、子ども、保護者が抱えている課題を見出し、探究します。その探究は、「基本科目」の現代教育実践学で学ぶ知識や「研究方法論Ⅰ・Ⅱ」で学ぶ教育学研究方法をベースにして、研究指導科目での教育学の研究方法論にもとづく研究を行いながら深めていくこととなります。

2年次:
1年次の探究を通して生まれた研究課題、大学院修了後に活躍するフィールド等をふまえて、学校・園(「学校実践演習Ⅰ・Ⅱ」)または地域の教育施設(「地域実践演習Ⅰ・Ⅱ」)でフィールドワークとケースメソッドを継続します。例えば、家庭支援をテーマに持つ学生は「地域実践演習Ⅰ・Ⅱ」の履修を選択し、地域の教育施設や地方の公共団体と連携したフィールドワークを継続し、また、教育方法をテーマに持つ学生は「学校実践演習Ⅰ・Ⅱ」の履修を選択し、学校でのフィールドワークを継続するなどが考えられます。このフィールドワークを「研究指導」と往還させ、構想 − 実践 – 省察のサイクルで探究を続け、創造的な問題解決につなげていきます。具体的には、1年次の「地域・学校実践演習Ⅰ・Ⅱ」で培った相対化する思考力をもって、ケースメソッドを通して、固有のフィールドにおける問題に対する新しい理解を導き(構想)、フィールドで活動している人々に新しい理解を示し、意見を聞くことやパイロット的に試みることなどを行い(実践)、「研究指導」で専門的な観点から新しい理解を検証すること(検証)を通して、新しい理解を洗練させていく(新しい構想)。このサイクルを通して、実践と研究の両面から地域の教育課題への創造的問題解決に取り組みます。
また、現代の教育課題は複合的であり、問題の理解や解決の方法を考えるにあたって、幅広い視野をもつことも重要です。そこで、多様な分野の専門知識を学修するために、教育実践に関する基礎的な専門知識を「基本科目」で学ぶとともに、「カリキュラム開発領域」「教育コミュニティ創造領域」の両領域から自由に選択履修する教育課程を編成し、課題の創造的解決に必要な専門知識を学修します。

このように、学生の課題意識や専門分野に応じて、複数の科目等を体系的に履修するコースワークを可能にすることによって、新しい提案を構想し、実際のフィールドで実践する機会を得ながら課題の解決を検証し、構想を洗練させていく「構想 − 実践 – 省察のサイクル」を可能にし、創造的な問題解決の力を養っていきます。
そのために、本研究科の教育課程は、フィールドワークとケースメソッドの基礎を培う「基礎科目」、幅広い専門知識の基礎を学修する「基本科目」、それぞれの専門性を深めていく「専門科目(「カリキュラム開発領域」「教育コミュニティ創造領域」「現代教育実践領域」の3領域から構成)」及び「研究指導」の4つの科目区分で編成し、それらの科目区分を相互に関連づける教育課程を編成します。

アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)

概要

現代の教育に関する実践的課題を理解し、地域の学校・園をはじめ、子どもの教育と成長に係る諸組織と協働で、さまざまな教育実践を省察しながら、創造的に問題解決のできる教育に関する高度専門職業人を養成します。こうした教育目的を達成するために、以下のような入学者を受け入れます。

アドミッション・ポリシー

  • 1.教育に関する幅広い教養や技能を基盤として、現代の教育に関する諸問題に深い関心をもっている人

  • 2.地域の諸組織との協働での多様な教育実践に深い関心をもっている人

  • 3.現職教員や将来教員になることを目指す人で、教育学に関する知識を身につけるとともに、専修免許状を取得することを目的とし、将来、高度な専門知識や教育技術を学校教育の現場での創造的問題解決に活かすことを考えている人

  • 4.教育に関わる地域の諸組織において活動しているあるいは活動することを目指す人で、現代の教育に関する実践的課題を理解し、将来、高度な専門知識や教育技術を実践の創造的問題解決に活かすことを考えている人