PROFILE
- 大阪成蹊大学 経営学部 スポーツマネジメント学科 4年生 フットサル部 主将
- 萩原 欣之介さん
萩原欣之介さん
千葉県生まれ。中央学院高校卒業。
フットサル場でアルバイトをし、練習が休みの日は自身が出場した試合の動画を見直す。まさにフットサル漬けの日々を過ごしている。
チームの目標は、インカレ3連覇、そして、その後の社会人チームも参加する「地域フットサルチャンピオンズリーグ」の優勝。個人としてもスコアを動かせる選手になりたいと目標を話す。
全日本大学フットサル大会大阪府大会で10連覇、全国大会でも2連覇中。大阪成蹊大学開学以来活動している、本学で最も歴史のあるクラブがフットサル部だ。主将を務めるのは、経営学部4年の萩原欣之介さん。「フットサルはコートが小さいので、試合展開が早く、常にゴールに迫る局面が楽しめます」と競技の魅力を弾けるような笑顔で話す。チームを率いる彼に、フットサルへかける想いと2連覇までの道のり、そして3連覇への意気込みを聞いた。
高校の先輩がくれたフットサル部入部のきっかけ
2024年6月8日(土)、9日(日)に開催された「第20回全日本大学フットサル大会大阪府大会」優勝後、「仲間や家族の応援により、何とか大阪府大会を10連覇することができました。全国大会では必ず3連覇を果たし、次の代へと繋ぎます」と萩原欣之介さんは、支えてくれる方への感謝と大きな目標を口にした。 萩原さんがフットサルを本格的に始めたのは、大学に入学してから。それまでは、サッカー一筋。「3歳からサッカーを始め、高校の3年間もずっとサッカーに熱中していました。高校最後の大会では、千葉県の3位になったのが一番の思い出です」と高校時代を振り返る。
毎日のようにサッカーの練習に打ち込んでいた彼がなぜフットサル部となったのか—。 大きな決断のきっかけとなったのは高校のサッカー部の先輩だった。高校3年生のとき、同じ高校の先輩が大学を卒業して、フットサルのプロ選手になったのだ。「その先輩の姿に憧れて、フットサル部のある大学への進学を考えるようになりました」。
佐藤監督と、言葉・力強い握手を交わし大阪成蹊大学へ
そしていくつかの大学フットサル部の練習を見学、ときには参加をしながら、進学先を考えていった。高校のサッカー部から進学した先輩が数名いたこともあり、大阪成蹊大学フットサル部の練習にも参加。「チームメイト同士の距離感が近いと感じました。学年関係なく仲が良い様子が印象的でした」と徐々にこのチームへと心が動いていく。後押しとなったのが、大阪成蹊大学フットサル部の佐藤監督の言葉だ。「大学日本一のチームをつくるために、力を貸して欲しい」。
必要とされているチームの力となるため、萩原さんは進学を決めた。
▲学年関係なく仲がいいチームメイトの存在は大きい
大阪成蹊大学での学びが選手としての成長に
萩原さんが大阪成蹊大学に進学して良かったと話すことの一つが、学びの面だ。経営学部 スポーツマネジメント学科では、スポーツの用具や試合の運営に関する授業が行われている。
「試合ができる環境は、いろんな方によって支えられている。それを学んでからは、試合一つするにも、支えていただいている方への感謝の気持ちを持つようになりました 」。
その学びはプレーにもつながった。「それまではプレー中にどうしても熱くなり過ぎてしまうことがありました。でも、相手や審判、そして試合ができる環境へ感謝の気持ちを持つようになってからは、落ち着きながらプレーに集中できるようになりました」。精神面の変化は、人としてもフットサル選手としても成長させてくれたのだった。
▲普段の練習から感謝の気持ちをもってプレーをする萩原選手
▲試合でも落ち着いてプレーができるように
プレッシャーを乗り越え掴み取った2連覇
萩原さんが2年生となった2022年、チームは「全日本大学フットサル大会(インカレ)」初優勝を果たす。チーム、そして大学が歓喜に包まれるなか、彼は別の想いも抱えていた。
「優勝は素直にうれしかったです。一方で、個人では満足のいくプレーができず、チームのために何もできなかった。その悔しさもありました」。
優勝後の新チームにも、焦りのような不安感があったという。優勝した年のチームは、大学生の中では頭一つ抜きん出ているような優秀な選手もおり、他の大学から優勝候補として名前が挙げられるほど。その後の新チームに対して、全国の各チームは打倒大阪成蹊を掲げて挑んでくる。焦り、不安。心が曇っていく。 そんなチームの心を奮い立たせてくれたのが、佐藤監督の言葉であった。
「このチームはまだ何も成し遂げていない」。この言葉は常にチームにかけられた。
チャンピオンではなく今年もチャレンジャーとして— 。チームは再び優勝することを目指し、練習に打ち込んでいった。練習で特に力を入れて取り組んだのがセットプレーだ。セットプレーは、試合の流れ関係なく得点へと結び付けることができる。ボールを出すタイミング、動き出しのタイミング、細かいところまで徹底的に練習し、どんな流れの試合でも勝てるチームを目指した。 チーム一丸。一人ひとりチャレンジャーとして臨んだ2023年の「全日本大学フットサル大会」では、練習が実を結び見事2連覇を掴み取った。
その瞬間を萩原さんは“しびれた”と表現する。
「初優勝のときより、私個人の出場時間が長くなったこともあり、チームに貢献できたのはもちろんですけれど、本当にチーム全員で勝ち取ったというのを感じて、全身の鳥肌が立つようでした」とそのときの興奮を語ってくれた。
▲優勝を決めた歓喜の瞬間
3連覇を目指すチームの主将として
「今、特に心掛けているのは、 フットサル中ではないところで何ができるのか、ということです。例えば、準備・片付けであったり、ちょっとした雑用であったり。 みんながやりたがらないことを率先してやるようにしています」と萩原さん。これまでも積極的に取り組んできたというが、主将となった今も意識的に行っている。その行動の根幹には周りへの「感謝」があるのだろう。その「感謝」の想いはチームにも浸透している。
『大阪成蹊大学に関わる全ての人に、笑顔、勇気、感動を与え、応援されるチームになる』 。部員たちで決めたチームのビジョンだ。
「どういうチームが応援されるのかというのは意識しています。ただ試合をするだけでなく、片付けをしたりごみを持ち帰ったり。当たり前のことではありますが、しっかりと取り組んでいます 」とこのビジョンを常に意識していることを教えてくれた。
今年チームは、インカレ3連覇を目指す。その中、まずは大阪府大会で見事優勝を果たした。
「大会の試合序盤は、9連覇中のプレッシャーからか選手一人ひとりに固さがあり、思うような試合運びができませんでした。しかしながら観客席からの仲間や家族の応援により、次第に私たち選手の緊張も解けていきました。そして本来の大阪成蹊らしいフットサルで10連覇をすることができました。全国大会では、この舞台に立てることに感謝し、これまでやってきた事を信じて、全力で楽しみたいと思います」と萩原さんは自然と感謝の言葉を口にしていた。人として、選手として、成長を続ける萩原さんと大阪成蹊大学フットサル部の活躍を、私たちの応援で後押ししていきたい。
大学、そして高校生の後輩たちへ
最後に、萩原さんに後輩へのアドバイスをお聞きした。
「大学の後輩には、どう時間を過ごすのかを大切にして欲しいです。人生の中で『時間がある』といわれているのは大学生の間だけだと思います。だから、その時間を使ってどんなことでも良いので全力で取り組んで欲しいです」。
続けて、高校生に対してこうメッセージを送った。「 大学に入ることも大事ですが、入った後が大事ということを忘れないで欲しいです。自分の軸になる、何をしたいか、何を大切にしたいかをしっかり見据えて大学受験を頑張ってください 」。
【萩原選手のインタビュー動画公開中!】
▼公式YouTubeでもご覧いただけます
https://www.youtube.com/watch?v=740MsEEd6zo&t=13s
※在学生の表記は2024年7月取材時のものです。