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仲間と笑い合う。その笑顔を、観客へ。
チアダンスで学んだ、全力で楽しむこと

2026.10.15

PROFILE

経営学部 スポーツマネジメント学科4年生
堀 萌衣那さん

経営学部 スポーツマネジメント学科4年生
堀 萌衣那さん
兵庫県生まれ。神戸星城高等学校卒業。
部活動や授業のない日は、趣味で始めたネイルに取り組み、ネイリスト検定の取得に向けて勉強中。休日は友人と出かけたり、ランニングやウォーキングをしたりと、外に出てリフレッシュすることも大切にしている。

We are GRACE!

“We are GRACE”。
練習の最後に声を合わせ、隣の人と手を合わせる。顔を見れば、厳しい練習の後でも笑い合える。大阪成蹊大学チアダンス部「GRACE」でキャプテンを務めた、経営学部スポーツマネジメント学科4年の堀萌衣那さんが取り入れた挨拶だ。

5歳から続けてきたチアダンス。大学では仲間と全国大会での3位入賞や大阪・関西万博への出演を経験した。その歩みの中で知った「全力で楽しむこと」と、これからへの想いをお聞きした。


チアダンスへの想いと共に大阪成蹊大学へ
堀さんがチアダンスを始めたのは5歳のころ。姉が大会で踊る姿を映像で見たことがきっかけだった。
「衣装がすごくキラキラしていて、私もあんなふうになりたいと思いました」。
実家の近くのクラブチームに通い始め、高校時代には世界大会への出場を目標に練習を重ね、アメリカ・フロリダの舞台でも踊った。

▲チアダンスを始めた頃の堀さん(後列右から3番目)

▲持ち前の身体能力の高さを活かし、小学生のころからクラブチームで活躍




▲高校生のころ アメリカ・フロリダの大会にて
 

大学でもチアダンスを続けたい。一方で、将来はスポーツに関わる仕事がしたいという想いもあった。高校の先生に進路を相談した際に紹介されたのが、大阪成蹊大学だった。
「経営だけでなく、スポーツ分野の経営についても学べる『スポーツマネジメント学科』があると教えていただきました。パンフレットを見るとチアダンス部もあって、自分に合っていると思いました」。
スポーツの経営を学びながら、チアダンスも続けられる。その環境が、進学の決め手になった。

スポーツを学び、自分のあり方を考える
スポーツマネジメント学科では、スポーツの経営や組織に関わる内容を学んでいる。特に力を入れ、印象に残っている授業が「スポーツ組織論」だという。
「リーダーシップについて学ぶ講義がありました。チアダンスは団体競技なので、自分にとっても学びの多い内容でした」。
講義では、さまざまなリーダーシップの形を知った。
「前から引っ張っていくリーダーもいれば、後ろから支えて見守るリーダーもいる。どれか一つが正解というわけではないと知りました」。

それぞれのあり方を学びながら、自分にはどのような形が合っているのかも考えることにつながったという。


また、印象に残っている先生として挙げたのが、1年生のときのゼミでお世話になった村田正夫教授だ。学生一人ひとりに率直に意見を伝えてくれる先生で、さまざまなことに気持ちが向いていたときも、助言をしてくれたという。
堀さんは、そんな村田教授を「自分を成長させてくれた先生です」と振り返った。

コーチが教えてくれた、全力で楽しむ気持ち
入学当時、チアダンス部は大会メンバーとイベントメンバーに分かれていた。堀さんが所属した大会メンバーは4人。少人数への心細さはあったが、その分、仲が深まったという。


▲大会メンバーが4人だったころのGRACE

「落ち着いた雰囲気のチームでした。落ち着きのない私を、他の3人がなだめてくれていました(笑)」。
姉もいたクラブチームから、大学の部活動へ。初めて出場した大会では、不安や緊張も感じた。結果は2位。1位を目指していた堀さんは、悔しさを感じたという。



大きな転機となったのは、2年生のときの佐藤けい子コーチとの出会いだった。それまで強く意識していたのは順位や点数。佐藤コーチからは、まずチームを大切にし、みんなで全力で楽しむことを教わった。
その意味を実感した経験の一つが、合宿での7kmのランニングだったという。
「すごくしんどかったんです。でも、終わった後にみんなで『しんどかったな』と言い合っているのが楽しくて。コーチから、それが本来の楽しさだと教えていただきました」。

▲メンバーとの安らぎのひとコマ

演技に臨むときも、順位や失敗ばかりに気持ちを向けるのではなく、楽しむことを意識するようになった。
「楽しんで踊れたときの方が、自分たちでも良い演技ができたと感じて、結果にもつながりました。勝ちに行く気持ちだけで踊るより、楽しむことでチアダンスの魅力が伝わるのだと学びました」。


一人ひとりの声を聞き、笑い合えるチームへ
「萌衣那に任せたい」。先輩からそう声をかけられ、キャプテンを務めることになった堀さん。
「自分には未熟なところも多くて、メンバーを支えられるのか不安でした。でも、やってみないと分からない。まずは挑戦して、経験しながら学ぼうと思いました」。
授業で学んだリーダーシップを、自分自身の役割として考える機会にもなった。


大切にしたのは、メンバーを最優先に考えること。気持ちが晴れないまま練習に参加してほしくないと、何でも話せる環境をつくろうとした。しかし、意見をすぐに伝えられる人もいれば、言えずに抱えてしまう人もいる。互いの考えがすれ違ってしまった時期もあった。
「何度もミーティングを開いて、本音を話しました。『そう思っていたんだ』と、初めて気づくことがたくさんありました。自分の意見を伝えるときも、反対の立場の人だったらどう思うかを考えるようにしていました」。


練習後、“We are GRACE”とみんなで声を合わせるようにしたのも、メンバーへの想いからだった。それまでは挨拶をして終えていたが、堀さんは、練習の最後に全員が同じ気持ちになれる時間をつくりたかったという。
「どんなに大変な練習でも、最後は顔を見合わせて笑えるんです。取り入れて良かったと思っています」。


練習前には全員の顔を見て、その日の表情や様子を確かめることも習慣になった。1年生のころには考えもしなかった行動だという。
「以前は、辛そうな人がいても、気づくだけで声をかけられないことがありました。今は誰かが辛そうにしていたら、みんながすぐに『大丈夫?』と声をかけています」。

▲「We are GRACE!」

2025年11月の全日本チアダンス選手権大会では、創部初となる全国大会3位入賞を果たした。チームで掲げていた上位入賞の目標を達成した、特に印象に残る大会だったという。その結果につながったものを聞くと、堀さんは練習の日々を振り返った。
「厳しい練習も、誰一人欠けることなく、笑顔で全員一緒に乗り越えてこられたことが大きかったと思います」。



▲チーム全員でお揃いで持っている、GRACEユニフォームのテディベア

万博の舞台で見えてきた、観客の笑顔
大きな思い出の一つとして残っているのが、2025年7月の大阪・関西万博への出演だ。
「日本で万博が開催される貴重な機会に、チアダンスを踊れることがうれしかったです。出演が近づくにつれて、本当にすごい場所で踊るんだと実感するようになりました」。


5月から振り入れを始め、約2カ月かけて準備。当日は、エンターテイメント性のある演技と、大会で踊る競技の演技の2種類を披露した。


「イベントの演技は踊り方や見せ方を、競技の演技は技や動きを全員で合わせることを大切にしています」。
前年よりメンバーが増えた中、気持ちを一つにして踊ることにも力を注いだ。
「チアダンスを目当てに来る方だけでなく、たまたまステージを目にする方もいると思いました。初めて見る方にも魅力が伝わるように、まずは自分たちが楽しむことを意識しました」。


迎えた本番。ステージは暑く、音楽は大音量。客席には、立って見ている人もいるほど多くの観客が集まっていた。
「最初は緊張して周りが見えなかったのですが、踊っているうちに、だんだん皆さんの顔が見えてきました。笑顔で見てくださっている方がたくさんいて、うれしかったです」。
家族や友人も訪れ、客席の中央には、楽しんで見守ってくれている佐藤コーチの姿もあった。
舞台を降りると、一気に緊張が解け、手足が震えた。
「こんなに貴重なステージに立っていたんだと、終わってから改めて実感しました。一生の思い出になると思います」。

▲万博のステージ

▲ステージ終了後にメンバー全員で


教わった楽しさを、今度は伝える側へ
部の後輩に伝えたいことを聞くと、堀さんは、今いる仲間を当たり前だと思わず、大切にしてほしいと話した。
「大変なときも、うれしいときも、思い返すと必ずメンバーがいます。そして同じ景色を見ています。みんながいるからこそ見える景色もあって、乗り越えられることもある。周りにいる仲間の存在をどうか忘れないでいてほしいです。これから先、どんなことがあっても、今一緒に頑張っている仲間を一番に大切に。そして、自分は一人ではないということを忘れずに、みんなでGRACEをつくっていってほしいです」。


▲かけがえのないメンバーたちと

卒業後は、チアダンスを始めるきっかけとなった姉が経営する教室で講師となり、チアダンスを教える立場になるという。そこで伝えたいのも、佐藤コーチから学んだ、仲間と踊る楽しさだ。
「技術だけでなく、仲間がいるからこそ楽しめることも伝えたいです。私がコーチから教わったことを、今度は後輩や、これから始める人たちに伝えていきたいと思っています」。

▲チームポスター撮影時のオフショット
大学、そして高校生の後輩たちへ
最後に、堀さんに後輩へのアドバイスをお聞きした。
「今を思う存分楽しんでほしいです。勉強や部活動、就職活動など、大変なこともあると思います。頑張ることは大切ですが、息抜きも大事にしてください。好きな音楽を聴いたり、お風呂にゆっくり入ったり、好きなものを食べたり。些細なことでも、自分が楽しい、落ち着くと思える時間を大切にしてください。今しかできないこと、今だからこそ感じられることがたくさんあります。好きなことをする時間も大切にしながら、今しかない時間を楽しんでください」。



※在学生の表記は2026年9月取材時のものです。