FCファッション・コスチュームデザインコース

オリジナリティの高いファッションや
機能美に富んだコスチュームを創る。

自由な発想と表現力をもとに時代の求めるコスチュームを創作できる力を養います。

また、ファッション業界の仕組みや流通・品質管理などの基礎知識から、トレンドを予測し、
アイデアをカタチにする斬新なデザイン・パターンメイキング・縫製・テキスタイルデザインまで、
ファッション・コスチューム業界に必要なことを幅広く学びます。

FEATURE学びの特徴

PICKUP01

舞台衣装の制作

演者の魅力を十二分に引き立てる
機能的で美しい舞台衣装制作を学ぶ。

舞台衣装制作の知識、技術を学ぶ以外に実践型プログラムも取り入れた授業を展開します。舞台上で必要とされる動きに対して、機能的で着装時にも美しく見せる手法や、演者の動きを理解し、採寸・パターン・仮縫い・修正・縫製まで幅広く学べます。

ファッション・コスチューム制作の
主な流れ

  • 1
    リサーチ・デザイン考案

    コスチュームが必要とされる舞台やステージに対する企画を考えることからスタートします。さらに、舞台衣装制作の知識を身につけ、コスチュームの構造を理解し、デザイン制作へと進みます。

  • 2
    採寸・パターン作成・テキスタイル作成

    デザインに対してモデルの採寸、その後パターンメイキングを行います。3Dファッションモデリングも使用し、アバターに着装させ、動いた際のシルエットをチェックします。

  • 3
    仮縫い・フィッティング

    モデルに合わせて衣装を着せつけてシルエットをチェックします。同時に機能性が含まれているか動きもチェックします。

  • 4
    パターン修正

    仮縫い・フィッティングで修正箇所をパターン修正します。立体→平面パターンにします。

  • 5
    裁断・縫製

    ファッションにとって重要なテキスタイル(素材)選択に進みます。自分のイメージに合った副資材を制作し、オリジナリティを高めます。生地をパターンに合わせて裁断し、縫製する作業を行います。

  • 6
    最終衣装チェック

    出来上がった衣装をモデルに着装し、最終シルエットおよび動きをチェックします。

  • 7
    着装

    縫いあげるだけでなく、アクセサリーやアイテムのコーディネート、メイクを完了して服が完成します。完成した服は、実際にモデルが着用し、プレゼンテーションを行います。また、展示パネルやテキスタイルブックの展示もあわせて行います。

  • 8
    完成・ステージ

    最終段階では、照明や音響、ストーリーなどを確認し、修正を繰り返しながら完成へと結びつけます。バレエ、ダンス、演劇、舞台、音楽ライブや映画などの衣装を制作するコスチュームデザイナーの醍醐味は、なんといってもステージなどで発表したあとの「感動」です。多くのスタッフと作り上げた作品は何物にも代え難いものです。

教員メッセージ

コース主任川上 須賀代准教授Sugayo Kawakami
  • 専門基礎演習
  • 専門基幹演習
  • 専門研究
  • 卒業研究・制作

アウトプットを通じて
自己の確立と創造性を磨きましょう。

不透明な社会の中で生きるには、自己の確立と創造性が大切な素養になります。それらを養う上で大切なことは、各々が課題に対して問いを立て、自分の作品や言葉でアウトプットすること。真剣に制作に向き合い、個人またはチームで取り組む中で、発想力と想像力は確実に向上していきます。

PROFILE

竹野内豊、山田孝之W主演の『唄う六人の女』(2023)衣装デザイン、制作(洋装)を担当。数々の演劇舞台やコンサート衣装等を手掛け、自身のブランド「sugayo」を立ち上げ全国展開を行う。

PICKUP02

ブランドの製品づくり

ブランド立ち上げに必要な、ブランディングやマーケティング、ターゲットの絞り込み、流通・販売・広報などのスキルを学び、ブランドブックを制作します。授業での学びを活かし、在学中に自身のブランドを立ち上げ、製品を制作・販売する学生も登場。タイプの異なる2ブランドをご紹介します。

CASE01

ゼロからオリジナルの服を作成

  • STEP
    1
    デザイン画作成
  • STEP
    2
    生地選び&付属選び
  • STEP
    3
    パターン
  • STEP
    4
    裁断
  • STEP
    5
    縫製
  • STEP
    6
    タグを取り付ける
  • STEP
    7
    完成
    MESSAGE

    先生の助言をきっかけに
    世界観重視のブランドを発信

    梶屋 壮希

    「起業するなら学生のうちに」という先生の言葉に背中を押され、2024年に「PULUMU(プラム)」を設立。「シンプルから抜け出せない人たちに向け、10%からの挑戦」をコンセプトに、ちょっと尖った定番アイテムを発信しています。プロモーションや販売はSNSで。売れずに悩むこともありましたが、最初のお客様がリピーターになってくださり自信が持てました。デザイナーとして海外で活躍できるよう頑張ります!

CASE02

ゼロからオリジナルの服を作成

  • STEP
    1
    原画作成
    (リメイク+パッチワーク)
  • STEP
    2
    生地選び
  • STEP
    3
    裁断
  • STEP
    4
    縫製
  • STEP
    5
    タグを取り付ける
  • STEP
    6
    仕上がり確認
  • STEP
    7
    完成
    MESSAGE

    一着の服を作る楽しさに目覚めブランド立ち上げに挑戦

    中田 将馬

    アパレル販売やパタンナー、デザイナーになる選択肢も考えましたが、自分で一着の服を作る楽しさを知り、ブランド「G-HORSE(ジーホース)」を設立。「個性を大切にし、他者との違いを楽しむことで、豊かなライフスタイルを」というコンセプトで、古着などを活用し国内では売っていない独特なデザインを描いています。設立したばかりで苦労も多いですが、川上先生の熱い指導と友人に支えられながら頑張っています。

COURSE 
TOPICS
コーストピックス

TOPICS01

3rd Grade
Exhibition 2024

「蘇生」をテーマに挑む3年生展。
赤×黒で命の躍動を表現する。

学習の成果を社会に発表する機会でもある3年生展。今年度は「赤と黒を基調とし、グローバル現象に寄り添いながら、自分たちにとっての『蘇生』を多様に表現する」というテーマで衣装制作に取り組みました。植物など自然の生命力を黒、人間の感情や記憶などの生命力を赤、蘇生後の生命力の強さを赤黒MIXとイメージし、生地の8割をサテンに限定するという制約の中で作品づくりを敢行。制作過程のすべてでリサイクルの概念を取り入れ、「グローバル現象に寄りそう」も体現しています。「蘇生」という非日常的な言葉を解釈し作品に昇華するために創造性・協調性・スキルなどを総動員する過程すべてが得難い学びとなります。

TOPICS02

グローバル・アクティブ
ラーニング

FASHION AND
COSTUME DESIGN

REPUBLIC OF
THE PHILIPPINES

ファッションという切り口で、
社会へと一石を投じる。

このグローバル・アクティブラーニングでは、NPO法人「DEAR ME」と協働し、ファッションを通じて社会課題を解決することをねらいとしています。取り組む内容は、フィリピンにおける貧困問題。一部の子どもたちが経済格差などで教育を受けられず、家族の生計のために将来の機会を奪われてしまう現状について知り、子どもたちが「自分のために生きられる」社会の重要性をファッションを通じて発信していきます。
プロジェクトは1年間かけて実施。事前調査や課題分析を行い、海外のメンバーとオンラインでコミュニケーションをとり、子どもたちが発案した衣装アイデアをブラッシュアップしていくことで制作を進行。現地でのショーの後は、レポートを学内外で発表します。得た理解を完全に自分の力にするためにも、アウトプットは大切な過程。この経験を通じて「社会に出て、自分の経験をどう活かすか」の視点が必ず身につきます。

「持続可能な社会」に
貢献できる人材の育成を。

学内のファッションショーから視野を広げて、先を見据えた社会貢献プロジェクトとして取り組むことで学生たちの意識も変わってきます。また、語学を通じたコミュニケーション力も必要となり、これから先のグローバル社会で生き抜くための力も養うことができます。衣装の素材についても、アップサイクルの古着などサステナブルな原料を使用。SDGsの観点からも、これからのファッション業界において「作り手の責任」としての持続可能な視点を持つことは非常に重要です。学生の学びとしてはまだ他に類を見ない取り組みですが、「自分自身の意識を変え、ファッションを通じて社会を変えていく」気持ちがある方に参加していただきたい革新的なプロジェクトです。これから一緒に世界を変える扉を叩いてみませんか。

SCHEDULE

  • STEP01

    リサーチ&
    国内学習

    (2年次8月~)

    NPO法人からフィリピンの貧困問題や格差について学び、どのような提案ができるのかをプレゼンテーション。現地のスタッフや子どもたちと対話を重ねながら衣装の制作を行います。

  • STEP02

    研修実施
    (ファッションショー
    本番・現地調査)

    (3年次2月)

    ファッションショーの準備、本番。マニラ市内でのスタディツアーや市内ファッション視察なども行い、現地の人とふれあうことで国際的なコミュニケーション力を鍛え、共創力を身につけます。

  • STEP03

    学習成果の
    可視化

    (帰国後)

    国内で事前調査した内容と海外研修での振り返りをまとめ、印刷物として広報活動にも役立てます。フィードバックを行い、成果を共有することでSDGsへの関心をより普及させるきっかけとします。

NPO法人
DEAR ME

ファッションを通して持続可能な社会づくりをめざすNPO団体。2015年より、フィリピンの貧困地区で暮らす子どもがモデルになり「夢を描く」ことを目的としたファッションショーを計10回開催。2023年2月には、コミュニティーの将来の選択肢を拡げることをめざし、無償のファッションスクールをマニラにて開校。

MESSAGE

服をつくる意味と深く向き合い、
自分の価値観が広がった!

柴田 真緒

フィリピンのショーに向け学ぶことで、「何のために、誰のために」と、服をつくる意味と深く向き合うことができました。自分の価値観や考え方が広がるこうした経験ができるのは大阪成蹊大学ならではの魅力だと感じています。フィリピンで子どもたちと対面し、服を渡すと泣くほど喜んでくれて。それを着てショーで歩いている姿を見たら、私も涙が出るほど感動しました。

MESSAGE

ドレス縫製という夢に向け、
直実に一歩を踏み出せた!

末久 摘樹

将来の夢はドレスの縫製職。今回初めてのドレスの制作には期待と不安がありました。学んだことをフルに活用し、先生に何度も相談しながらパターンを完成できた時は感動! 黒と赤のサテンを基調に、後ろを向いて腰に手を当てた時にハートが現れるデザインに仕上げました。実際に着て喜んでもらえた姿に感無量! 何度も直して納得がいくまでやり通せてよかったです。

MESSAGE

子どもの夢を応援する体験を通し
海外で働く夢を追いかけたい!

前田 珠希

オンラインで対面した子どもたちが笑顔でデザインを伝えるのを見て、ショーを通して夢を追える子が増えるよう力を尽くそうと思いました。担当する子が希望するたくさんのハートと、チームのテーマ“クール”との融合に苦労しましたが、黒のパンツをくり抜き、赤のハートを見せる手法で両立に成功しました。作品は言葉の壁を越えることや、仲間との絆の大切さを学びました。

WORKSBYSTUDENTS卒業制作

ACHIEVEMENTS内定実績

「好き」から向上した知識と技術、
そしてつかんだパタンナーの内定。

デザイン画をもとに、服づくりの設計図(パターン)を描くパタンナー。
狭き門とされるパタンナーに内定した石井愛珠さんに、
職種への想いと授業を通しての成長をお聞きしました。

STUDENT
INTERVIEW

石井 愛珠Manami Ishii

DESIGN DOCUMENT01

企画の中に盛り込む
自分の「好き」なものへの想い

小学生の頃から、縫い物とファッションが好きでした。マスコットサイズの小さな服を自分で考えて縫ったり、中学校の入学祝いにミシンを買ってもらったりするほど。「好きなものを形にしたい」。その想いから、平面のデザインを立体的な服へとつくり上げるパタンナーに憧れるように。このシャツも私が好きな白菜に着想を得て、胸元の模様をデザインしました。また、ブランドのコンセプトやテーマ、着てもらいたい年齢層も意識してつくりました。

DESIGN IMAGE02

幅広い分野を学びながらも
専門性を深めていく

1年次はデッサンや一般教養の授業が中心。2年次には専門的な授業も増えてきました。後期には企画をもとに初めてデザイン画を描き、パターンを引いて衣装をつくりました。専門学校は学べるものが一つの分野に絞られがちですが、本学ではデザイン・パターンメイキング・縫製・テキスタイルデザインなど幅広く学ぶことができます。そのおかげで職種に縛られることなく、将来の選択肢を幅広く持つことができました。

PATTERN MAIKING03

パターンメイキングを繰り返し
就職試験の自信に

パターンメイキングは、週に1回ほど特別課題をいただくなど、先生から特に力を入れてご指導いただきました。サイズ展開がしやすいように、直線をきれいに引くことや濃い線と薄い線の区別をはっきりさせることなど、線の引き方一つとっても細かくご指導いただいたことは自分の身になったと思います。就職試験に対しても、何回もデザイン画からパターンを引く練習をしたことで自信を持って実技試験に臨めました。

FASHION SHOW04

衣服に込められた
ストーリーを伝える
パタンナーへ

1・2年次の学修成果を発表する3年生展や、フィリピンでの子どもたちのファッションショーなど、4年間でいくつもの作品を制作してきました。特に初めてデザインから考えた写真の作品は思い出深いものです。作品づくりを通して、一つひとつの衣服には、ストーリーがあることを学びました。デザイナーの考えや、衣服に関わる人の想いを汲み取り、それを伝えられるパタンナーにこれからなっていきたいと思います。

教員メッセージ

Sugayo Kawakami
パタンナーとして成長を続け、
後輩たちの希望に
パタンナーとして就職する方の多くは、毎日パターンを引いてきた専門学生。4年制大学からの内定は全国的にも珍しいことです。内定をつかみ取れたのは石井さんの発想力、縫製技術、デザイナーの意図を汲み取る傾聴力・読解力が優れていたからでしょう。本学ではデザインだけ、パターンだけ、でなく広く深く教えてきましたが、石井さんは課題をこなすごとに、それらさまざまな面で成長していったように思います。これからさらに成長し、パタンナーをめざす後輩たちの希望となってほしいと思います。
Manami Ishii

主な就職先一覧

  • MARK STYLER株式会社
  • 株式会社マッシュホールディングス
  • 株式会社ストライプインターナショナル
  • 株式会社アダストリア
  • 株式会社キャン
  • 他多数